「壁」というと、ドイツのベルリンの壁や、アメリカの国境の壁など、国境を分断するようなコンクリート等の固そうな物質でしっかり作られ、高くて堅くて重くて頑丈な感じ。
しかし、私の目の前にあるであろう壁は、物理的にというわけではなく、生理的な壁というのだろうか、目の前に高く聳え立ってるはずなのだけど、姿形がない。
もう、どう攻略していいかわからないので、逃げ出したい、そう仕事を辞めたい。
私が、今の仕事を選んだのは「自分のできなそうなことに挑戦しよう!」という発想から決めた、決めたというと聞こえはいいが、妥協したのだ、本当は映像業界で働きたいような気もしていたが、テレビ局のADなら未来はあるが、自分の学歴で民法各社にはいれるはずがなく応募する勇気すらなく、映像製作会社のADの不遇具合には恐れをなしていて、受かった製作会社は辞めて、それより収入が安定していて、かつ映像や音楽にも関連していそうな所を選んだ。
とっても打算的でとってもダサい自分のスタイルと、仕事の選び方、この中途半端は、想像以上に、色々な人に迷惑をかけてしまう。
それ以前は2つの心があり、一つは先程の映画監督になりたかった。もう一つは小売業がしたくて、高校で簿記を学んだり、大学で販売士検定2級なる資格も取ったりと、自分のお店を持つぞ!という気持ちでいた。
しかし、どちらも、気持ちが、中途半端で。
今、思うと、受かった製作会社に入ればよかったとも思うけど、かなりの薄給具合に、今でも足がすくむ、お金も貰えないうえにほぼ毎日徹夜かぁーと思うと、相当自分に自信があって勇気があるか、なかなかのドMじゃないと飛び込めない気がする。
そんな迷ったまま、月日はながれ、結局、まぁまぁ給料ももらえそうな会社に入社した。
しかしというか、やはりというか、入社式に遅刻するという大失態をおかし、泣いた、最悪。
そして気持ちを切り替え、自分の苦手と思われる、肉体労働をしてみたら、無理だった。
しかも、最悪なのが、先輩社員を尊敬できない自分の心だ、人間として最悪である。
しかも、仕事を「つまらない」という物差しで、考えているようで、身がはいらない。
多分、先輩の熱さに、心が引いてしまってるんだ。
あと、私の神経質な部分が変に顔をだす、まずヘルメットと手袋の着用、汗かくし正直気持ち悪くて付けてられない。そして服装、先輩や同期は小奇麗な格好をしているが、大事な服が汚れるのが嫌で、いつもジーンズとトレーナーだ、鏡をみていつもださいと思う。しかも現場ごとに横浜、千葉、東京と、出勤場所が変わるので、それも苦痛だ。その上、大量の派遣のバイトさんとも一緒に仕事をしないといけなくて、それも苦痛。
汗と匂いが異常に苦手で、飲食店などは一生働けないだろう、特に客がタバコすうような店、そう考えが甘くて愚かで、社会不適合者なのだ。
そんなこんなで、一年。
もう、心が、悲鳴をあげている。
ただ、三年は我慢しないとという部分もあるし、いま熊谷の実家に戻るのも忍びない、そしてこの壁をもしかしたら、乗り越えられる日が来るんじゃないかという希望もどこかにある。
今、思うのは、苦手な事を克服するより、得意な事をのばした方が、私も会社も社会も、みんな得なんじゃないだろうか。
でも、それは、自分が弱いからで、皆は我慢したり克服している事なのだろうか。
とりあえず、三年はやってみようかな、んー。
要領のいい同期達は、先輩達にかわいがられているよう、私にはできない。
実力もないくせに、愛想もない、最悪な女。
あー、人生詰んだかもしれない。
なんて弱くて、愚かで、なさけないんだ。
著者紹介
- 名前
- ミライ
- 性別
- まだ女
- 年齢
- 秘密のあっこちゃん
- 出身
- あつあつ熊谷
- コメント
- 突然のエッセイの依頼、驚きました。もちろん初めてですが、楽しくやってみようと思います。がんばります。