毎回、代表の山口さんを筆頭に、主婦ボランティアや立正大学の学生ボランティアの皆さんが、お料理を作ったり、こどもに手話教室をしたりと、幼児から高校生までの幅広い年齢層のこども達が、毎回楽しそうに遊びにきています。
こどもだけでなく、年齢や立場に関係なく食卓を囲み楽しめて、仕事が忙しくて帰りが遅い時、疲れて体調不良で夕食を作りたくない時など「気軽に利用できる」こども食堂です。
気軽に来店できるこども食堂
ライターゆる
「本日は、貴重な時間ありがとうございます。いつも、こども達を連れてよく利用させていただいていますが、ごはんもおいしいですし、学生スタッフの方とも遊べて、年齢の近いお友達も沢山いるので、毎回とっても楽しみにしています。」
山口さん
「ありがとうございます、お子様とっても元気ですよね(笑)」
ライターゆる
「元気すぎて大変です(笑)わたしはこちらのこども食堂しか利用したことがないのですが、他にもいくつかあるのですか?」
山口さん
「深谷と行田と、あと熊谷にももう一つあります。」
ライターゆる
「結構あるんですね、最近増えているのですか?」
山口さん
「そうですね。ただ、やっぱりメディアに取り上げられやすいのは、貧困対策としてのこども食堂なんですけど、うちは本当に『誰でも来てください』ってご案内しているので、中学生以下の方と70歳以上の方が無料で、高校生以上は200円なんですけど、実際に来てくださる方がどのような立場でも喜んで楽しんでいただきたいです。」
ライターゆる
「わたしも最初はご飯が食べれないような家庭というか、母子家庭だったりとかの支援というイメージが強くて、よほど困窮していないと行っちゃいけないのかという思いもありました。実際、家計にゆとりがある訳ではないのですが、ボーダーラインがどこなのかが曖昧で・・・。」
山口さん
「そうですよね。『食事に困っている方は来てください。』ってするとすごく来づらいですよね。目に見えてすごく貧しそうって方はほとんどいなくて、今は地域の方にとっての交流の場になっていると思います。なので『困っている人、貧しい人、ご飯食べられない人』いらっしゃいってご案内してしまうと、ものすごくハードルが上がってしまって、行くのに行きづらくなってしまって、だからどなたでも来てくださいというスタンスにして、その中に紛れて来るっていうとへんな言い方ですけど『別にこちらも詮索は一切しないので色々な方に来てください』っていうのを広げて、実際困った人が含まれていればいいかなという考えですね。」
ライターゆる
「なるほど。そうですよね。確かに『貧困』を全面におしていると、こども食堂からでてくる人をみかけたら『○○さんお金で困ってるのかしら・・・。』となってしまいますよね。それは矛盾してますし、そう思われたくないと思ったら、本当に必要な方の足が遠のいてしまうかもしれませんね。」
山口さん
「現在の熊谷なないろ食堂はボランティアさん達にも楽しんでもらいたいと思っています。私はボランティアさん達をとても頼りにしていて信頼していますので、細かい事は言わずに各自が思うように対応してもらい、不安な事や困った時にフォローするようにしています。」
ライターゆる
「とってもいいですね!いつもボランティアさんたちが楽しそうに活動していますよね、食事だけじゃなく、楽しく遊んでもらえるのでとっても助かっています♪」
山口さん
「実際に何回か来て頂いたお母さんとお話しすると、『共働きだけど結構きついよ』とか、『塾とかはちょっと無理かな・・・。』とか、そういう話を聞いています。通常、こども食堂は主婦の方が5~6人で一緒に立ち上げて運営するというパターンが多いのですけど、うちの場合は主婦ボランティアの他に、大学生を中心としたボランティアスタッフが学校終わりに常時15人ぐらい来てくれているので、だったら、うちは来てくれた子供たちと遊んだり、学習支援や、手話教室など、食事と教育を2本柱にしようと考えました。」
ライターゆる
「わーいいアイデアですね。」
山口さん
「できるだけ地域の方にも関わってほしいと思います。食材を寄付してくれた方がお子さんと食べに来たり一緒に遊んだり、色々自分と世代の違うお兄さんお姉さんおじちゃんおばちゃんとコミュニケーション取れるし、そこで勉強も教えてもらえるし、いままでやったことも教えてもらったりっていうそういう場所にしたいなっていうのがありますね。」
ライターゆる
「わたしのこどもも『お兄さんお姉さんと遊びたい!』と、こちらのこども食堂に来るのを楽しみにしてますし、遊んでる間は手が離れるので親としてもとっても来やすいです♪」
熊谷なないろ食堂は絶賛成長中!
ライターゆる
「活動をはじめて、最初から沢山ご来店があったのですか?」
山口さん
「1回目は9人だけだったんですよね・・・(笑)最初はホント知り合いの方が来てくれたとかで(笑)2019年2月に開催したので17回目になるんですけど、70人ぐらい集まりましたね!」
ライターゆる
「わー、すごいですね!」
山口さん
「増え方が、10ヶ月で8倍っていうと、子ども食堂を行うところが熊谷は2件しかないんで、やっぱりニーズがあるんだなって、必要だと思ってくれているんだなって強く感じました。」
ライターゆる
「この周辺の方が多いのですか?」
山口さん
「受付の際に、支障の無い程度に住所とか学校名を書いてもらうんですが、行田、深谷、妻沼など幅広くご参加いただいてます。学校も学区内ばかりでなく車でいらっしゃる方が多いです。都市部と違って、こどもだけでふらっと来るわけじゃないですね。」
ライターゆる
「わたしも深谷ですし、色々な場所から来るのですね。やはり来やすい雰囲気なんでしょうね。」
山口さん
「そうだととっても嬉しいです(笑)」
熊谷なないろ食堂の未来
ライターゆる
「最後に、今後の展望などをお聞きしても宜しいでしょうか?」
山口さん
「今まではすべてが初めてで調べる段階から一からやってきたんですけど、今後は子ども食堂を事業化しなきゃ行けないと思っています。今こども食堂ってちょっとしたブームで、すごく沢山立ち上がっているんですけど、すごく閉鎖してるんですよ。」
ライターゆる
「たくさん閉鎖しているんですね・・・。」
山口さん
「ご飯作って提供してと、はじめるのは簡単なんですよね。でも継続的にやろうとすると、段取りも踏まないといけないし、ほとんどのところが月に1回2回で、毎日やられてたところもあるんですけど、そういうところは飲食店が経営してたりとか、老人施設が併設してたりとか、ちょっと特殊だったりするんですね。」
ライターゆる
「こども食堂だけでというのは難しいのですね・・・。」
山口さん
「運営のほとんどがボランティアで構成されていて、頂いているものは寄付の食材で、そのスタッフや食材が次回あるとは限らないですよね。仮に食材があっても場所を借りたりスタッフがいなければ調理できないですし、調味料とかは買ったりするし、なにかしらお金がかかるんですよね。食材もすべて毎回同じにできたらいいんですけど難しいのが現実です。」
ライターゆる
「たしかに大変ですね・・・。」
山口さん
「そこで、今考えているのが、子ども食堂に飲食店を併設して、飲食店の売上をこども食堂に回して、子ども食堂を継続的に運営していける仕組みにしていくことを考えてます。今年の6月頃に飲食店をオープンして週3回のこども食堂開催にする予定です。」
ライターゆる
「わー、今年6月頃オープンですか!すごく楽しみです!」
山口さん
「すべてを寄付に頼っているといつ終わってしまうか分からないので、自分達の運営費は自分達で賄えるようにっていけるようにしたいと思っています。そうすれば、毎日とは行かなくでも、例えば週3回こども食堂を開催できたら、本当に『子ども食堂』の意味になると思うんですよね。」
ライターゆる
「ぜひ、ずっと続くことを願っています。」
山口さん
「ありがとうございます、頑張ります。」
ライターゆる
「本日は、貴重な時間ありがとうございました、また遊びにきます♪」
撮影/柿沼博基
関連情報・お知らせ
熊谷なないろ食堂
- 営業時間
- 17:00~19:30
- 毎月第3水曜日と第4木曜日
- 住所
- 〒360-0816 埼玉県熊谷市石原1407-1
- お問い合わせ
- 048-579-5522
- ホームページ
- http://www.skjinkennet.com/