寄居町の荒川沿いの山間にあるベジタリアン対応レストラン「どすこい喫茶やまこ」さん。お相撲さんモチーフのインテリアが置かれたお店を訪れると、お着物姿の山田さんが迎えてくださいました。
レストラン経営の他、熊谷ビーガンマップの制作などもされていて、食を中心に多方面で活躍されています。そんな山田さんに、こだわりの衣食住の事を伺ってきました。
お着物について
ライターゆる
「本日は宜しくお願いします。お会いした時から思っていたのですが、お着物素敵ですね。いつもそういったスタイルなんですか?」
山田さん
「そうですね。5年くらい前から着物を着たいなと思って、お茶を習い始めたんですけど、そのときになにがなんでも着物を着ていくようにして、なんとなく着れるようになってきました。それからお店を始めるにあたって、話題作りにもなるしという事で着物を着るようになりました。」
ライターゆる
「確かになんで着物着てるんですかって聞きたくなっちゃいます(笑)」
山田さん
「そうなんです(笑)それがきっかけなんですけど、着物って昔のものなので、絹とか綿とか麻とか、気持ちの良い素材が多くて、着たくなっちゃうんですよね。それで簡単な着物というか、中はブラウスを着たりとかしています。」
ライターゆる
「足元はヒールを合わせているんですね。」
山田さん
「面倒くさがりなので(笑)着物って中は長襦袢(ながじゅばん)を合わせなきゃいけないとか、草履をはくのが大変で、草履は傷んだりもするし、そういったところは正式な時以外はやりません。」
ライターゆる
「自由に楽しまれていて素敵ですね。」
「どすこい喫茶やまこ」オープンの経緯
ライターゆる
「それからもう一つ、お会いする前から気になっていたのが、お店の名前についている『どすこい』なのですが(笑)どすこいにはどんな思いがあるのですか?」
山田さん
「どすこいはヘブライ語で『大地の厄をふみおとす』っていう意味があるそうで、ちょうどオーガニックで、農薬をできるだけ使わずに、地球もきれいに出来るような生活スタイルという事で、いいねと言う事でつけました。」
ライターゆる
「どすこいにはそんな深い意味があったんですね!」
山田さん
「本当は、千代の富士さんが好きで…(笑)それと、『すごいよ!!マサルさん』ってゆう漫画に『どすこい喫茶ジュテーム』ってゆう喫茶店がでてくるのと、私がやまだみきこなので、やまこにしようという話があって。やまこも山にすむ妖怪とか、山に住む人という意味があって、山際の近くでいいかなと思ったんです。そしたら夫が『どすこい喫茶やまこ』にしたらと言ったので、そうしようかとなりました。」
ライターゆる
「それじゃあこの場所にちなんだ名前という事でもあったんですね。山間の素敵な場所ですが、どうしてこの場所にお店を開くことになったのかなと思っていたので。」
山田さん
「そもそも2018年の3月までサラリーマンで、4月にプレオープン、5月にオープンしました。知り合いがここの物件を見つけて、貸す人を探していると言う事で。私の前にもカフェをやりたいとか、別荘にしたいと言う事で借りたい人が4人くらいいたみたいなんですけど、タイミングが合わなかったみたいで、私が借りますと言って、そこから辞表を出して、始めました。」
ライターゆる
「準備期間は短かったんですね!思い切りが良いというか。」
山田さん
「あとから知り合いが駅の利用者数とか調べて、この場所は商売上まずいと言っていました(笑)全然そんなのも調べる気も無かったので(笑)」
ライターゆる
「確かに、集客とか考えると、結構田舎ですし難しそうですよね。」
山田さん
「そうなんですよ。私、食べ物とかがすごく好きなので、売るというよりはあげたくなっちゃうんですよ。クッキーとかもすごく作ったのにほとんどあげちゃって(笑)だからもう飲食店じゃなくてもいいのかなと思ったり(笑)」
ライターゆる
「そうなんですね。お料理もお野菜にこだわったりと特徴的ですが、志向の会う方が集まる事が多いんですか?」
山田さん
「そうですね。私、レイキヒーリングというのをやっていて、そういうのに興味のある方とかが結構いらっしゃいます。あとは健康に気を配っている方で、わりと子育て世代というよりは、子育てが落ち着いて、自分たちの人生を考えようという感じで食事に気をつけている方が多いですね。」
ビーガンマップ制作への思い
ライターゆる
「健康食と言えば、ビーガンマップなども作られていると伺いました。ビーガン=菜食主義者くらいの知識しかないのですが、そもそもビーガンってどんなものなんでしょうか。」
山田さん
「ビーガンもいろいろいらっしゃって、人によってはキノコも菌だから食べないという人もいたり、蜂蜜はハチから搾取したものだから食べないとか、色々な考えがあるんですけど、なぜビーガンをやるかというと、環境の為だったり、健康の為だったり、動物が殺されちゃうのはかわいそうだったり、いろんな理由があります。ビーガンマップをやる理由はお肉を食べる人も食べない人も同じ食卓につけるお店ってどこだろうという事ではじめました。動物性の素材を扱っているお店も掲載していますが、植物性のご飯の希望があれば提供していただけるお店を掲載しています。」
ライターゆる
「確かに、自分がビーガンだったとしても、ビーガンの方とだけ食事をするわけじゃないですもんね。」
山田さん
「そうなんです。だから、一緒に食事に行かなくなってきてしまうんです。食の好み、食の幅と人間関係の幅って似ているという話があって。例えば、焼き肉屋さんに行こうって言われても困ってしまうんだけど、そのお店で、ビーガン対応メニューお願いしますと言って、すっごいキャベツとか出してくれたら行けるわけです(笑)」
ライターゆる
「なるほど。単に健康志向、菜食主義者向けという事ではなく、多様な考えの人を受け入れてくれるお店という側面が大きいんですね。」
山田さん
「そうですね。作った理由としては、自分たちの外食できる所が無かったから、他にもそういう思いをしている人がいると思ったのと、ラグビーやオリンピックで外国人の方が熊谷を訪れる機会が多いので、これがあったら熊谷が魅力的な街になると思ったからです。」
ライターゆる
「そうですか。とても意義のある事だなと感じました。」
熊谷への思い
ライターゆる
「これまでもKUMAGAYALiFEでは熊谷で活躍する女性を応援したいという思いで取材活動などさせていただいているのですが、熊谷は女性にとって働きやすい街だと感じますか。」
山田さん
「私、サラリーマンの時に大宮で10年くらい働いて、人事異動で熊谷に来たんですけど、働きやすいなと思いました。同じ家賃でもめちゃくちゃ広いところに住めたりとか。熊谷は駅周辺に徒歩で行けるお店とかがいっぱいあって、車が無くても生活できるミニマムな感じが好きです。空も広くて夕日がきれいだなと思ったりとか。徒歩圏内で通えるから、カフェによって交流が出来たりとか、そういう意味では働きやすいですね。女性経営者の方も多く活躍されていますしね!」
ライターゆる
「確かに、近頃カフェも増えているように思いますし、歩いて回れるたのしみがあるというのは熊谷の魅力かもしれませんね。本日は貴重なお時間ありがとうございました。今後のご活躍も応援しています。」
山田さん
「ありがとうございました。」
撮影/柿沼博基
関連情報
どすこい喫茶やまこ
- 住所
- 〒369-1236 埼玉県大里郡寄居町大字大字金尾443−6
- @mikiko_v_yamada