三姉妹の父親で、娘さんに向けて7年間にわたり書き続けた連載小説をまとめた『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』(ミシマ社/インプレス「しごとのわ」)を、2018年3月に出版されました。
とってもハードなお仕事を続けながらも、休日を利用して小説を書き出版してしまう、そんなとってもアクティブなLiFEをインタビューさせていただきました。
ロンドンでの生活について
ライター柿沼
「本日は宜しくお願いいたします。『おカネの教室』拝見させていただきました。僕は経済やら数字やらがとても苦手なタイプなのですが・・・。小説という事や、娘さんに向けて書いたという事もあり、頭が良くない僕でも最後まで楽しく読めたのかなと思っています(笑)」
高井さん
「おー、ありがとうございます。」
Introduction-作品紹介-
著者:高井浩章
単行本: 272ページ(ソフトカバー)
出版社: インプレス(2018/3/16)
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ライター柿沼
「アマゾンのレビューが100件を超えて、5万部突破されたようですが。小説の制作期間が7年ということで、本を作るのはやはり大変でしたか?」
高井さん
「そうですね、仕事の合間に制作していたのですが、ロンドンでの2年間の生活が大きかったと思いますね。」
ライター柿沼
「ロッ、ロンドン!?」
高井さん
「そうロンドンです。小説はロンドンで書きあがったのですが、ロンドンへ赴任しなかったら完成しなかったと思いますね。」
ライター柿沼
「それは日本とはことなる、プライベートの時間も大事にするような、仕事のスタイルなどの面でしょうか?」
高井さん
「そう、欧州の人たちにちょっと似た働き方をするのが一つ。それと、少しテクニカルな話になってしまうのですが『時差』が丁度いいんですね。東京だと夕方以降から遅い時間にかけてが忙しいのですが、その時間がロンドンだと朝9時~17時になるので、朝出社したタイミングが丁度忙しい時間帯で、夕方頃の帰宅時間には落ち着きます。仕事終わりにちょっとパブで飲んで帰宅して、家族とご飯を食べて、その後2~3時間は自由な時間がとれるので、その時間で執筆できました。」
ライター柿沼
「働くスタイルと、東京との時差がピッタリはまったんですね!」
高井さん
「東京だと忙しなく働いていたので、ロンドンに行く直前の2年間は全然書けなかったですね。」
ライター柿沼
「ロンドンに行ってよかったですね!2018年3月に出版された時も、まだロンドンにいらっしゃったのですか?」
高井さん
「出版時はまだロンドンにいましたね、その翌月に東京に戻ってきました。」
ライター柿沼
「ロンドンへ行くのはご自身が希望されていたのですか?」
高井さん
「希望は10年ぐらいずっとだしていましたね。ロンドンへはデスクとして行ったのですが、記者としてだったら同じように時間は取れなかったと思うし、ニューヨークへ行く可能性もあって、もしそっちだったら時差もうまく噛み合わないので、いい塩梅で偶然が重なったなと感じますね。」
出版までの道のり
ライター柿沼
「いやー、ほんとロンドンでよかったですね!実際に本になったのは嬉しかったですか?」
高井さん
「僕は本が好きで、自宅には本棚が14本以上あり、廊下も本棚で埋まっているという状態なのですが。子どもの頃から本を買って本棚に並べるのが至福だと思うような人間だったので、その延長線上で『こういう楽しいものをいつかは作りたいな…。』と思っていましたね。」
ライター柿沼
「こどもの頃から本が大好きなのですね。」
高井さん
「生意気な子どもだったので、赤川次郎を読んで『これぐらいなら書けるんじゃないか?』と思っていたので(笑)今、読むと、すごく上手いなと思うんですけどね(笑)」
ライター柿沼
「かなり上から目線な(笑)本業のお仕事で、ご自身で取材したものが記事になって発売されたりするのとは、また違う感覚ですか?」
高井さん
「うーん違いますね。仕事の場合だと、原稿を作成する際に媒体にあった所定のスタイルがあり、バラつきがあったら読者が読みにくいので文体が決まっていて、そこには書き手の創意工夫が無い方がいいんですね。情報を伝えるコンテンツですから、当たり前ですが真面目に事実を書く。そこに笑いなどは必要ないのですが、基本的に僕は人生楽しいほうがいいと思ってる人間なので、真面目な原稿を書くよりも面白げな事を書く方が元々好きなんです。だから、おカネの教室でも少しふざけて書いてるというか(笑)」
ライター柿沼
「スターウォーズとか色々とでてきましたよね(笑)」
高井さん
「そうそう、そういうふざけた事を書いてる時が、一番楽しいんですよね(笑)」
ライター柿沼
「今回が初めての執筆なのでしょうか?」
高井さん
「実は一番初めに『ポドモド』という作品を書いていて、次女が表紙のイラストを担当した親子合作なのですが、小学生から大人まで気軽に楽しめるファンタジーです。Kindle版がアマゾンで読めますね。」
Introduction-作品紹介-
著者:高井浩章
ページ数: 145 ページ(Kindle版)
ファイルサイズ: 1277 KB
本の詳細はこちらをクリック
ライター柿沼
「2作品目なのですね!1作目はいつぐらいに書かれたのですか?」
高井さん
「長女が小学校1年生あたりなので、現在のデスクの仕事ではなく記者だった時代ですね。最初は手書きだったんですよ。」
ライター柿沼
「え!手書きですか!!」
高井さん
「あれはね、よく覚えているんですが。僕は、いつも家に帰ってから、ちょと本を読んだりテレビゲームするかして、何か気分転換しないと寝られないのですね。」
ライター柿沼
「そうなんですね、東京での記者時代という事は、ご帰宅は遅い時間なのですか?」
高井さん
「そう遅いですね、仕事を遅い時間までしていると、やはり何かでているんでしょうね、それを落ちつかせるためにやっていて、テトリスとかよくやってました(笑)そして、あるとき娘が学校の宿題で使うための作文用紙が、ぽいっと置いてあったのを見て、よし俺も作文書こうと思って。」
ライター柿沼
「おー、それがきっかけですか!!」
高井さん
「作文用紙を前にして、鉛筆持って、うーん何書こうかなと思って。『童話にしよう』『童話のタイトルだからわけのわからない名前にしよう』と、ポドモドと書いて、うーんよくわからないな、これはどうなるんだろうと(笑)毎日ちまちまと書いていき、原稿用紙200枚くらいかな。これが家庭内連載の第1弾で、おカネの教室が第2弾ですね。」
ライター柿沼
「へー!ポドモドの手書きから始まり、おカネの教室につながるんですね。」
高井さん
「おカネの教室の連載も、最初は月に1回ワードで7~8枚作って娘に渡していたのですが、どんどん仕事も忙しくなっていき、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、半年に1回となってしまって(笑)やっと形になったのはロンドン滞在中で、最初は電子書籍で自分でだしてヒットし、その後出版社に持ち込み最終的に出版にいたるまでに7年の歳月がかかってしまいましたね。」
ライター柿沼
「ロンドンの2年があって、おカネの教室が誕生し、出会う事ができてよかったです。」
これからの夢
ライター柿沼
「本業のお仕事をしながら、こどもの頃からの夢をかなえるというスタイルは、これからの日本においての働き方という面で、一つの模範となると思うのですが、今後も引き続き、お仕事をしながら執筆活動を続けていかれますか?」
高井さん
「実は・・・、このおカネの教室の続編を書こうと思っています。」
ライター柿沼
「ぞっ続編ですか!?!?!?すっすごい!!」
高井さん
「まだ、具体的なストーリーなどは考えていないのですが、少しづつ準備していこうと思っているので、楽しみにしていてください。それと、コルクに所属する藝大出身の作家・ワタベヒツジさんと協力して漫画化プロジェクトが進行中です!」
ライター柿沼
「まっ漫画!?!?さらにすごいですね!!また、ちょっと大人になったビャッコさんや、漫画の中で動くビャッコさん会えると思うと、今からとっても楽しみでワクワクします。すいませんビャッコさんばかりで、ビャッコさん推しでして…(笑)本日は貴重なお時間ありがとうございました、続編も漫画も首を長くしてお待ちしております!」
撮影/柿沼博基