世間の流れの速さについていけないのんびりな我が家ですが、この秋は幸いなことに台風もなく、コロナも下火になって、「今だ!」「急げ!」「出かけなくちゃ!」とお出かけを楽しんでいます。
夏の間体調が思わしくなかった息子の体調も落ち着き、「来年は行けるかわからないんだから、今行かないと!」と大きな独り言を言いながらガイドブックを広げている母です。
今回はお友達と一緒に長瀞の宝登山にお出かけしたお話です。
目指すは宝登山ロープーウェイ!!
秩父鉄道に乗って長瀞駅へ。
電車に乗るのは2年ぶりくらいでしょうか。親子で乗ることは結構ありましたが、お友達と一緒に乗るのってとっても楽しいですね♡
窓の外を見ながら、『貨物が来たー!』『お山が見えるー!』とお友達の声を聞きながらガタゴト揺られて、息子はいい気分でまどろんでいました。
さて、長瀞駅に着いたらロープーウェイ乗り場まで坂道をひたすら歩きます。
息子の乗っているバギーには痰を引く吸引機と電気毛布用のバッテリーが積んであり、かなりの重さ。
お友達ママと交代で山道を押して登ります。
『ハァ・・・ハァ。』と息を切らして、『やっと着いたー!!』
ロープーウェイ乗り場に着き、安堵したかと思いきやゴンドラに乗るまでが階段!!
しまったー!事前に確認し忘れた!と急に焦る母。
しかし、息子のバギーに乗った姿を見るや職員さん方がすぐさま現れて、3人がかりで『よいしょっ!』とバギーを持ち上げて階段を登りゴンドラに乗せてくれました。上りと下りで計4回も「よいしょ!」してもらい、職員さん方は慣れた様子でしたが、私たちは感謝の気持ちでいっぱいでした。
お山の上ではお友達の様子に釘付けの息子。
普段山に来ると、鳥の声や風を楽しむ息子ですが、この日はお友達の『見えたよー!』『聞こえたー!』という声に相槌を打つように一緒にお山を楽しみました。
目的のロープーウェイも無事に乗れて、あとは紅葉を楽しみながらのんびり散策です。
途中、おしゃべりしながらかき氷やお蕎麦を食べ、コロナウイルスのことをすっかり忘れて開放的な気分になっていました。
(普通のことなのになぜか後ろめたさを感じ、すっかり世の中の習慣は変わってしまったなぁ・・・と。)
息子は味噌田楽の味噌をわずかに舐めながらこっそり胃ろう注入です。
絶好のお天気の中お友達とお出かけできて満足。満足。と帰りの上長瀞駅から電車に乗ろうとしたところ・・・
またもやピンチ到来!!階段登場!向かいのホームに行けない!
慌てて策を考える母。焦る。焦る。
駅員さんと、私と、お友達ママであれやこれや相談。
ひとまず息子を向かいのホームに運び、べンチに寝かせた息子をお友達に見守ってもらい、駅員さんと私でバギーを運ぶことに。
駅員さんは運んだ後も『乗る時は大丈夫ー??』『 ◯分に来るからねー! 』と、遠くから大きな声で心配してくださり、深く感謝でした。
普段からバギーでのお出かけは迷惑になりたくないので、平日の空いてそうな時を狙ったり、車椅子可か不可かなど確認しているのですが、すっかり何人もの方に助けられてしまいました。
(事前に『長瀞バリアフリーマップ』を読み込んだはずなんですが。)
散策している途中でも『車椅子で岩畳に行ける道があっちにありますよ!』と声をかけてくださった方もいて、長瀞の紅葉はもちろん綺麗だったのですが、それよりも手助けしてくれた長瀞の人たちの暖かさが心にしみたお出かけになりました。
息子も自分が動けないことで私や大人たちが困っている様子はよくわかるので、『オレ、いろんな人達に運ばれてるなぁ。どうもありがとう。』と思ったことでしょう。
家路へのうす暗闇のお空にはお月様がいつもと違う異常な美しさで輝いていて、なんて素敵な1日だったのだろう。と、忘れられない長瀞旅になりました。
(後日皆既月食だったと知る。笑。)
著者紹介
- 名前
- inoinoart
- 性別
- 女
- 年齢
- ホームアローンのケビンと一緒
- 出身
- 江戸っ子
- コメント
- 熊谷と深谷を行ったり来たり。難病っ子の息子を育てながらアート活動とアウトドアに勤しむ。エッセイも楽しみたいと思います!
- https://www.instagram.com/inoinoart/