埼玉県熊谷市の多様性のある暮らしをめざして

リポーター「最新情報によりますと、昨夜、緊急搬送されたクマレッドは、いまだ昏睡状態のままで予断を許さない状況であり、集中治療室で治療にあたっているようです。以上、熊谷大病院前からお届けしました、スタジオにお返しします。」
司会者「とても心配ですね…。目を覚ましてくれることを祈っています…。続きまして、もうすぐクリスマスですが…。」

番組はクリスマスプレゼント特集に切り替わり、待合室の外に設置されたテレビには色とりどりの今年一押しのプレゼントが映し出される。待合室の中では、神妙な面持ちで、メンバーが無言でソファーに腰掛けている。

イエロー「…。」
グリーン「…。」
ブルー「…。」
ピンク「…。」

すると、待合室のドアが開き、おばあちゃんと少年がはいってくる。

おばあちゃん「すいません、クマレッドさんが治療を受けているのはこちらでしょうか？」
グリーン「そうです、レッドのお知り合いの方でしょうか？」
こども「うん！去年のクリスマスに、電車に乗っていたときに助けてもらったんです！」
ブルー「あー、君はあの時のボーイ！」
おばあちゃん「その節は大変お世話になりました、孫がどうしてもお渡ししたいものがあると…。」

少年はすっと封筒を差し出す。

こども「これ、クマレッドさんに渡してください。お願いします。」

少年は封筒をイエローに渡すと、待合室をさっとでていってしまう。

おばあちゃん「お手数ですが、クマレッドさんの意識がお戻りになられたら、その手紙をお渡しください。こんな時に申し訳ございませんが、報道をみて、どうしてもと聞かなくて…。」
ブルー「ノープロブレムなのさ、きっとレッドも喜んでいるのさ。」
イエロー「ぜっったいにレッドは回復するちん！ぜっったいに手紙渡すちん！」

おばあちゃんは、軽く会釈をすると、待合室をでて少年を追いかけた。
イエローは、少年から受けっとった封筒を、ぎゅっと握りしめる。
ピンクはそっとイエローの肩にポンッと手をそえる。

ピンク「きっと絶対だいじょうぶ♪」
イエロー「うん。」
グリーン「レッドは昔から運だけはいいですからね。」
ブルー「きっといつもみたいに復活するのさ。」

to be continued･･･

イエロー310「もう寒くて無理ある～。」

熊谷大病院の屋上で、小型端末を上空にかざして、小さなアンテナを振り回している。

レッド310「イ………エ……ロ…………聞………こ………え……る…か……。」
イエロー310「あ！ちょっと聞こえるある！」
グリーン310「おー！元気な声なんだなぁ！」
ピンク310「周波数を特定するのに時間がかかったけど、これで、そっちの世界と通信可能になったわ。」
イエロー310「みんなの声が聞けて安心したある～。」

イエロー310は宇宙でクマレッドにおこった出来事をみんなに説明する。

レッド310「レッド君が心配だよ…。」
ブルー310「ピンクが開発してる機械で、何かできないかな？」
ピンク310「そうね、あなたをこちらの世界に戻すために、スネーク博士の機械を分析しているんだけど、完成したらそっちにみんなで駆けつける事もできるかも。」
イエロー310「みんなであの悪魔みたいなやつをやっつけるある～。」
グリーン310「だが、イエローの言っていたことが本当だとすると、ワシらが行ったところで、勝てるかどうか…。」
ブルー310「そうだね、もっと強力な戦力があるといいけど…。」
イエロー310「戦力…そうだ！ちょっといいアイデア思いついたかもしれないある～！ちょっと、また連絡するある～。」

一方的に通信を遮断すると、イエローは屋上からひょいと飛び降り、雪の中に消えていった。

to be continued･･･