埼玉県熊谷市の多様性のある暮らしをめざして

太陽がギラギラと地面を照らし、ミンミンセミが元気よくないている、丘の上の大きな巨木の木陰で、麦わら帽子を顔にぽんとのっけてクマレッドが寝そべっている。

レッド「…。」

ミンミンセミのなきごえがぼんやりと遠のいていき、どこからともなく聞き覚えのある声がかすかに響いてくる。

声「レ……ッ……ち…ゃ………。」

レッドの耳がぴくぴくとかすかに反応したかと思うと、聞き覚えのある声は、どんどんと聞こえなくなり、ミンミンセミのなきごえが大きくなっていく。

巨木の幹には沢山のセミがとまって盛大なコーラスを奏で、したたりおちる樹液のちかくではカブトムシやクワガタがツノでやりあっている、枝のさきっぽではハチがせっせと巣作りの真っ最中、根っこの陰からひょいとでてきたダンゴムシはクマレッドの足をよじ登ろうとのろのろすすんでいる。

すると、今度ははっきりした声が、クマレッドに話しかけた。

声「こんな所でなにしてるのキラ～？」

レッドはびっくりして飛び起きた、声のするほうを見上げると、そこには見慣れた姿が。

ほっしー「どうしたの、そんなにびっくりして、毎日あそんでるのに、なんだかおかしいキラー(笑)」
レッド「いきなり声をかけられたら誰でもびっくりするのだ！とってもいい気持ちで寝てたのだ！」
ほっしー「もう太陽があんなに高くなってるよ、こんなにも暑いから、川にでもいこうキラ～♪」
レッド「それはナイスアイデアなのだ！きっとひんやりしてて最高なのだ！あれ、でも、なんだか、また、急に、眠く、なって…。」

クマレッドはそう言うと、あっというまにすとんと寝てしまった。
ほっしーは、しばらくクマレッドをみつめると、横にころんと寝そべり、ゆっくりと目を閉じた。

to be continued･･･

ピンク「レッドちゃん聞こえる？わたしたちはここにいるよ、まってるよ！」
イエロー「早くげんきになるちん！」

病室でクマレッドに懸命によびかける仲間達、すると病室のドアが静かに開く。

熱男「おっす、どうよ？」
グリーン「まだ反応はありません…。」
熱子「これ差し入れ、みんな寝てないでしょ？しっかり休んで、しっかり食べなきゃだめよ。」
ブルー「オー！センキューなのさ、あとでゆっくり食べるのさ。」

ブルーが差し入れを受け取ろうとした瞬間、突如、病室の電気が急に消える。

イエロー「うわー、まっくらちん！」

だが、すぐに、電気は復旧し、クマレンジャーたちは病室の外に飛び出る。
通路にいたナースや患者さんも困惑した表情であったが、悪の軍団ブラックホーネットの怪人が出現した様子はなかった。

グリーン「ただの停電ですかね？」
ピンク「…うん、どうやらそのようね♪」

安堵しかけたその瞬間、待合室や、病室のTVモニターが切り替わり、画面に小さな人影が映し出される。

小さな人影「我はウオッチャーである、我は長年この広大な宇宙を旅してきた。あらゆる星々を巡り、様々な文明を観察し、正しく軌道修正してきた。今、この星は泣いている、資源をむさぼり、争いは絶えず、利己的な君たちの行いは目にあまるものがある、よって、リセットする。7日の猶予を与えよう、それぞれ家族や友人と最後の時を静かにすごすとよい。もし、万が一、誤った行動をとるものがあれば、我が即座にそのものをに塵にするであろう。我はみているぞ。よく考え、残りの時間を大切に使うのだ。」

小さな人影の話が終わると、地球上のありとあらゆるすべてのモニターを全てジャックした放送は終了し画面が切り替わる。

グリーン「あれは宇宙空間にいた…。」
イエロー「ウオッチャーってあの海外ドラマのことちん？」
ブルー「ちがうのさ、きっと宇宙の番人ってことなのさ、それならあの力はなっとくなのさ…。」
ピンク「もーーー！なんなのアイツ！超ムカつくー！超ジコチュー！意味わかんないわ♪」
グリーン「リセットというのは…、我々を滅ぼすということなのでしょうか…。」
熱男「は～辛気臭せーな～、さてマミちゃんにでも電話しよっかな～、俺かえるわ～。」
熱子「ちょと、熱男、もぉ、みんなごめんね、またね。」

その時、熱男の声をきき、病室のクマレッドの手がぴくりとかすかに動く。
そして熱子が机の上にそっと置いたお見舞いの品から、ひらりと星型の紙がレッドの手元に舞い落ちる、そこには『ほっしーに会いたい』とレッドの願い事が力強く書かれていた。

to be continued･･･