市議会議員選挙にでようと決意したきっかけ
ライターゆる
「本日はどうぞ宜しくお願い致します。」
川久保さん
「宜しくお願いします。」
ライターゆる
「さっそくですが、2020年7月につくば市に移住されて、その後すぐにあった市議会議員の選挙に出られたという事ですが、以前から、いつか政治家になりたいという思いがあったのですか?」
川久保さん
「いえ全くないです。大学時代は法学部だったので政治学なども学んだりはしていたのですが、全く興味はなかったので、本当に6月までは自分が政治家になるなんて思いもしなかったという感じです。」
ライターゆる
「それでは、移住してから決められたのですか。」
川久保さん
「移住してからというよりは、千代田区からつくば市に移住するにあたって、子供を公立の保育所に転園させようとつくばの保育制度を調べていたら、これは全然違うぞと思いました。つくばの保育所では、使用済みのおむつを持ち帰ったり、ごはんは持参しなければならなかったり、親の負担が大きいなと感じました。これを変えるにはどうすれば良いかと思ったときに、市議会議員になるのが有効だと思ったので、なったという感じです。」
ライターゆる
「すごい実行力ですね。」
川久保さん
「というのも、普通はいきなり政治家になるのではなくて、知り合いの政治家に相談したり、市に要望書を出したりするんじゃないかと思うのですが、私がなぜそうしなかったかというと、10年前につくばの実家に住んでいたとき、夜中につくば駅の近くを歩いていたら痴漢にあってしまったんです。そのときに、オンライン上につくばのマップをつくって、この場所が危ないとか、こんな事件がありましたというのを地図上でわかるようにすれば、私のような被害を防げるんじゃないかと思いました。」
ライターゆる
「なるほど。」
川久保さん
「まずは市議会議員の人に相談したら全然動いてくれなくて、市に要望書も出したのですが、検討しますの一文しか返ってきませんでした。こういう方法だと動いてもらえないんだなという事が分かったので、自分で作っちゃおうと思って、茨城県警に情報公開請求をして、過去つくば市内で起きた不審者事件の情報を開示してもらいました。そしたら出てきたのが分厚い資料だったのですが、住所も何丁目という部分以降は黒塗りになっていて、詳しい住所がわからないのでマップに落としようがなく、水戸の茨城県警の本部に行って事情を説明して、詳しい住所を公開して欲しいとお願いをしたのですが、結局それもだめでした。」
ライターゆる
「もどかしいですね。」
川久保さん
「最終的に私が出来る事としては、ブログで地名ごとのカテゴリーを作って、そこに何月何日こういう事がありましたというのをアップしていくという事でした。196件アップしたのですが、仕事も忙しいし途中で辞めてしまったというのが10年前にありました。」
ライターゆる
「それは仕事とかでもなく、個人的な事としてやっていたんですか。」
川久保さん
「そうです。そういう経験があったので、そのときと同じ方法ではダメだと思いました。そこで、3ヶ月後に市議会議員選挙があると知って、せっかくだからダメ元で出てみようと。」
ライターゆる
「千代田区とつくば市の保育の違いがきっかけになったという事ですが、これまでつくば市の保育制度が見直されなかったのはどうしてだと思われますか。」
川久保さん
「つくば市議会の中で女性議員の割合はまだまだ少なく、特に乳幼児を子育て中の当事者は圧倒的に少数です。ですので、そのような当事者の声が市政に反映されづらかったのかなと思います。それから、皆さん今の制度が当たり前と思っていて、入園した当初からその制度の中でやっているので、おむつは持ち帰るし、お布団も毎週末持ち帰りだし、ごはんは持っていかないといけないしというのを当たり前にやってきたように思います。でも私は千代田区の保育制度を経験していたので、これは当たり前じゃなくて結構大変なことをしているんだぞというのを知っていたという事だと思います。」
ライターゆる
「確かに、他の自治体との違いを目の当たりにしたからこそ問題に感じたわけですね。」
従来のやり方にとらわれない選挙
ライターゆる
「それにしても、選挙に出るというのはすごい決断だなと思いました。選挙に出るにはそれなりの準備というか戦略などもあったと思うのですが、パンフレットなどもかわいいし、何となくいままでの選挙のイメージと少し違うなと感じたのですが。」
川久保さん
「今回私は選挙に出るにあたって基本方針を3つあげました。というのも、4年後のつくばの選挙をもっと面白いものにしたいなというのがコンセプトとしてありました。つくばには様々な分野の専門家やユニークな活動をされている方がたくさんいるのに、そういう人が選挙に立候補するかというとそうでもなくて、つくばに住んでる人の感じと、市議会の感じがちがうと感じていました。選挙というと、選挙カーを出したり、街頭演説をしたりということがあると思いますが、私は街は変えたいけど、そういう従来型の選挙運動はやりたくないなと感じていたので、やりたくない事はやらないという方針をたてました。」
ライターゆる
「なるほど。」
川久保さん
「そして、いままでと違うやりかたで選挙に受かったとしたら、それが前例になって、4年後、他の情熱のある人たちが選挙に出てみるかと思えるようになったらいいなという思いがありました。
3つの基本方針は、1.仕事と育児を犠牲にしない、2.他人のお金に頼らない、3.既存のやり方にとらわれないというものです。それをふまえて、当選するために有効だと思う事をやるというスタンスで活動していました。」
ライターゆる
「なるほど。実行された事で一番有効だったなと思う事は何でしたか。」
川久保さん
「今回に関して言うと1分動画です。動画だと私の雰囲気も伝わりますし、ただしゃべるだけじゃなく、こどもと接したり弁護士として働いているところなども見ていただけるようにしました。」
ライターゆる
「確かに、選挙カーを出さなくても、一度にたくさんの方に見ていただけるし、わかりやすいですね。動画を作られたり、パンフレットやロゴなどもすごくすてきに作られているなと感じました。限られた資金のなかでの選挙というお話もありましたが、デザインや見せる事にこだわってお金をかけられているのでしょうか。」
川久保さん
「おっしゃる通りです。私は弁護士になる前はウェブの企画営業の仕事をしていました。その経験で、デザインの重要性を感じていました。なので、いかにきちんとしたデザインで見ていただけるものをつくるかというのを重要視しました。実際、普段は政治家のビラは捨ててしまうんだけどこれは捨てられなかったと言っていただいたりと、デザインの力を感じました。ロゴも自分で考えてかいたものをデザイナーさんにデザインにおこしてもらって、こだわってつくりました。」
ライターゆる
「すごくいいですね。確かにこれが郵便受けに入っていたら読んでみる気になりますし、とっておくと思います。
それから、仕事と育児を犠牲にしないというのがとても気になっているのですが、仕事と育児だけでも両立させるのが難しいなと感じていて、それに加えて政治活動もとなると想像もつかないのですが、両立させるコツはどういったところなのでしょうか。」
川久保さん
「例えば日中は保育所にお願いして、思う存分働いて、お迎えに行って帰ってきた後や、休日などはこどもが寝ていないかぎり仕事は一切しません。そのかわり、朝早く起きます。夜はこどもと一緒に8時くらいに寝てしまうので、はやいときは3時とかに起きて選挙に向けた準備をしていました。」
ライターゆる
「なるほど、確かに睡眠もとれているし、無理なく成り立っていますね。とはいえ、いじわるな事をきくようですが、自分を犠牲にしているという事はありますか。」
川久保さん
「確かに、趣味の時間というか、本当は映画を観たりジムで身体を動かしたりするのが好きなのですが、選挙前はそういう時間は全くとれませんでした。でも仕事がすごくすきなので、仕事ができて、睡眠時間がとれていればメンタル的には幸せです。」
ライターゆる
「時間の使い方って大事ですよね。私も見習おうと思いました。最後に今後の展望を教えてください。」
川久保さん
「まずはこの4年かけて今回かかげた5つの政策の実現に向けて全力投球します。もう一つは市民の方が声をあげたときにサポートする事です。10年前の自分が声を上げたときに応援して一緒にやってくれる人がいたら全然違ったと思うんです。なのでやっぱりそういう議員でありたいなと思っています。4年後どうするのかは全くわかりません。そのときにまたつくばで新しく変えたい事が出てくれば選挙に出るでしょうし、それともまた全然ちがう挑戦をしたいと思うのか、全く未知数です。」
ライターゆる
「この4年でつくばの保育制度が変わって、子育てしやすい街になるんだなと思うとわくわくしますね。今後のご活躍、たのしみにしています。本日は貴重なお時間ありがとうございました。」
HP:「つくばチェンジチャレンジ」
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