気軽に外出ができなくなってしまいました。
我が家はというと、コロナ以前にインフルエンザなどの感染症が流行り始めると「危険信号発令」でほぼ人混みには行きません。
病気の子を持つ家族の多くは同じだと思いますが、うちの息子の場合は感染症にかかると病状が悪化し、命が縮みかねないので冬の外出はヒヤヒヤものです。
人のまるでいない山の中や河原には行きますが、この冬に行った人混みは「みかん狩り」と「おそい初詣」くらいで、あとは病院、病院、病院。(ある意味一番危険な場所です。)
そんな生活をしていたところに、SNSで知り合った同じように外出ができない男の子のママから、『一緒にプラネタリウムをやる人いませんか?』というメッセージが届きました。
山梨に住んでいる親子と埼玉のオレが一緒にプラネタリウム!?
しかも自宅で?いったいどういうこと??
なんだかよくわからないけど楽しそう♪
目がどんどん見えなくなってきている息子にプラネタリウムを見せてあげたい!
というか、私の顔すらはっきりと見えていなそうな息子に見えるのだろうか??
眼科医には全盲になっても光を見たり感じれる機能は残ると言われたから、もしかしたら暗闇の中のお星様やお月様は見えるかもしれない!
今すぐやりたい!
と、私はフツフツと高揚し『プラネタリウム、やりたいです!』と即答でお返事しました。
よく調べてみると、それは山梨県の『星つぐみの村』という法人がやっている、インターネット配信を使って在宅療養の者同士が星空の下でつながることのできる、『フライングプラネタリウム』というものだということがわかりました。
笑顔がとびきり可愛いその山梨の男の子と、うちの息子が一緒に星空を見上げるなんて素敵すぎる♡
私は当日に備えて息子の体調管理を行いました。
当日までは三者(星つむぎの村の代表の方、山梨のお友達ママさん、私)で連絡を取り合いながら、自宅に届いたプラネタリウムの機材を寝室にセット。プロジェクター、スピーカー、スマホを接続しピントを合わせたり音量を調節したり。
そしていざ当日。
はじめに、スマホ越しのビデオ通話で三者ご挨拶。
私は山梨のお友達ママさんと初めてお話しし、若干の緊張と照れ。
そしてプラネタリウムの始まりです。
二人のために作られたであろうプラネタリウムの映像が生配信され、映像に沿ってお話をしてくれるのは『宙先(そらさき)案内人』、「星つむぎの村」代表の高橋さんです。(あとで知りましたが自宅から語りかけてくれていたそうです。)
息子はどこからか聞こえてくる自分の名前を呼びかける声に驚いて、周りをキョロキョロ。
そして寝室の天井一面に映る光る星座群を、目をカッ!と見開いて必死に見ようとしていました。
その様子に、まだ息子には見たいという強い意思と、視力も僅かだろうけど残っているんだ!ということがはっきりとわかりました。
途中、息子が生まれた日の星空が映し出され、久しぶりに産んだ時のことを思い出しました。
最近は心配事だらけの日々を送っていますが、トラブルなく生まれてきた瞬間は希望に満ちていたな・・・と。
私は『星は遥か昔から生まれたり消えたりを繰り返している』という語りに、なぜだか息子の病気が大したことないように思えてきました。
プラネタリウムを見ていたそのひと時だけでも、そういう気持ちになれたことを今では感謝しています。
当の本人はというと、暗闇から降ってきてはパァァァと近づいてくる火星などの惑星、月、地球にあっけにとられ意識を失いそうになっていました。笑。
そしてプラネタリウム終了後も、翌日の朝も、なにやら神妙な顔つきでじっと天井を見つめているので、「お星様探してるの?」と聞くとニカッと大きな笑顔。「またお星様見たいね。」と言うと『ウキャッ!!』と喜びの声でした。
一緒に見ていたパパは何を思ったのか息子に向かって「生きている間にたくさん輝けばいいんだ!」「あ、でもオレはもぅ既に輝いているから、そのままでいいんだ!」などと話しかけていました。笑。
後日、この「フライングプラネタリウム」のことはネットの記事に掲載され、私と山梨のお友達ママはお互いの息子のスター性を確信!!喜び合いました。
興味のある方は見てみてください☆
三菱電機・読む宇宙旅行
『外に出られない人へ星空をー「フライングプラネタリウム」が示す星の力』
http://www.mitsubishielectric.co.jp/
著者紹介
- 名前
- inoinoart
- 性別
- 女
- 年齢
- ホームアローンのケビンと一緒
- 出身
- 江戸っ子
- コメント
- 熊谷と深谷を行ったり来たり。難病っ子の息子を育てながらアート活動とアウトドアに勤しむ。エッセイも楽しみたいと思います!
- https://www.instagram.com/inoinoart/