「このひと大丈夫?」
LINEのグループ通話の画面越しに、一番仲のよさげで円満な夫婦の奥様から、的を射たお言葉を頂いた。
そう、まったくもって大丈夫じゃないのである。
2020年6月13日(土)
朝から、雨が降っている、気圧のせいか、ストレスのせいか、明日に控えたドローン撮影のプレッシャーのせいか、頭痛がひどい。
妻が体調不良で、昨日の朝から長男と次男を親に預けているが、三男をちょこちょこ気にしなければいけないし、仕事はしないとで疲労感が否めない。
コロナの影響でテレワーク中だったのは幸いだったが、効率と集中力が著しく低下する。
そんな僕のイライラを察したのか、妻から、戻ってきた長男と次男をつれて、実家に泊まってこようかとの提案があった。
「助かったー!」
正直、僕はそう思った、そう、僕はこどもが苦手なのである。
妻がこども3人を連れて出発すると、心が軽くなった、だが頭痛は解消されないので、入浴してすぐさまベッドイン、19時にタイマーをセットして眠りについた。
アラームがなり、目を覚ますと、雨が若干おだやかになっていた、頭痛もなんとか耐えられるレベルになっていた。
キッチンに向かい飲み物を調達し、充電してあった久しぶりに使うiPhone5sに電源を入れ、ノートパソコンに立てかけ準備完了、待機。
19時半から、大学生時代のメンバーとグループ通話予定なのだ、久しぶりだ。
時間があるので、もう一台のデスクトップパソコンを起動して、なんでもないやさんきちの動画編集を開始。
案の定、19時半から開始されるという奇跡がおこる訳もなく、時間が流れ、20時過ぎにビデオチャットが開始する。
「まっ、眩しい…。」
画面に映し出された、幸せを絵に描いたようなこども達と無邪気に戯れる父親たち。
こっこれがいいパパってやつか…、そう思いながら、ノートパソコンに開いて準備してあった、空の新しいテキストドキュメントに心境を綴る。
もはや、画面の幸せ格差に心折れそうである。
そうか、家族含めてのビデオ通話ってニュアンスだったのか?全然そんな視点なかったぞ、そうか、そういうもんなのか。
と、自分の先見性のなさを悔やみながらも、幸せ格差を噛みしめながら、横目で健全なるパパぶりをながめる。
画面の端っこには、1人でパソコンに感じたことを、殴り書きする、殴り書きしないと間が持たない自分が、寂しげに1人ぽつんとうつっている。
そりゃそうだ、自業自得である。
なんで、この人たちは、こんなにこども達と楽しそうにできるんだろう、やはり僕が普通じゃないのか、人間としてのポテンシャルが低すぎるのが、いつになっても人間になれない自分勝手なピノキオなのか。
そんな、ある意味、暴力のレベルに達するであろう幸せ格差のシャワーを浴びながら、もくもくとテキストに気持ちをしたためる。
23時、ビデオ通話が終了し、シャワーを浴びて、ベッドイン。
楽しかったなぁ、しかし僕は、なんで、こどもが苦手なんだろうと考えてみる。
まず、音である、息子たちの声は非常にウルサイ、他のこどもと比べても音量がでかい、僕は音が苦手なのである。
仕事中も、できるだけノイズがはいらないようにしないと集中できない、何か一つのことをやっていてカットインされたりすると、一気にスピードダウンする。
寝る時も、虫の鳴く音が気になって寝れないこともある、なので昔から好きな音楽を流して、耳を塞いで寝ている。
自分以外の人と生活するようになって、音をながしっぱなしというのは僕一人じゃないので、迷惑かなと思い、イヤーマフを購入。
寝るときはもちろん、ちょっと頭いたい時は、居間でもイヤーマフ装着している。
よく、ニュースで、夜泣きがうるさくてとかで自分のこどもを殺めてしまったり、俗にいう人間としてダメな人たちの気持ちが、わからなくはないのである。
冒頭に戻るが、このひと全然大丈夫でないのである。
タイムリーなニュースでいえば、アンジャッシュが死ぬほど叩かれているが、その気持ち悪いといって叩いている健全な有識者とよばれる部類のコメンテーターの人達の言葉より、そういった駄目な人や犯罪者だったりの失敗してしまった人の気持ちの方が親近感を感じてしまう。
犯罪者を擁護するわけでは決してなく、悪いことをしちゃだめだが、パーフェクトヒューマンなんているのかなと疑問に思ってしまう。
ただ、こうして、1人で日記を書いていて思うのは。
とっても寂しい。
もはや、1人でこれから生きていく事に、なんの価値も目的も見いだせない。
こどもがいるから働かなきゃいけない、こどもにプラスになるような行動をする。
僕の中心は、僕ではなくて、こどもなのだ。
会話が成立せず、ひたすら自己主張を続け、騒音をまきちらす悪魔みたいな側面もあるが、寝ている時の天使のような側面もある。
キャパが小さく、その悪魔のような側面に日々打ちのめされている駄目な人間ではあるが、残念ながらこのキャパは変えられそうにないので、他のパパみたいに他の家族と一緒にバーべーキューやキャンプをしたり、幼稚園のパパ会で活躍したり、家事を協力したり、率先しておしめ替えたり、普通のいいパパにはなれないと思いますが、自分なりにではありますが、君たちにプラスになるような事ができたらいいなと思っています。
こんなポンコツ人間と一緒に生活するのはさぞ疲れるでしょう、その分違うところで帳尻が合って、プラマイゼロぐらいに。
著者紹介
- 名前
- ガラクタ父ちゃん
- 性別
- 男
- 精神年齢
- 12歳
- 出身
- 埼玉県熊谷市
- コメント
- 母親のエッセイが多くなってきたので、父親のエッセイをと思い、ダメ親代表として筆をとりました。