現在は特別支援学校の小学部にマイペースに通学しています。
息子は2カ所の療育施設で十分に成長させてもらい、小学校が待ち遠しいなぁ。という感じだったので、特に心配はなく、小学校の流れがわかるようになると『ふむふむ。これが小学校かぁ。なかなか楽しいぞ!』というような顔をしていて、帰りの車の中(母が送り迎えをしています。)では『んが。んが。んがぁ。』と、私にいろいろ報告しています。おそらく学校でやったこととか今日も楽しかった!みたいなことを言っているのではないかと思います。
療育施設を卒園して唯一心残りなのは、学校にはパン屋さんが来ないので、大好物の『くるみあんぱん』が食べられなくなってしまったことです。
学校の給食にパンは出るようですが、息子のお昼は栄養剤を注入しているのでパンはもらえません。
パンなんかコンビニで買えばいいじゃん。と思うかもしれませんが、我が家は食材を買う私がパンを食べないので、パンを買う習慣がなく、療育施設にパン屋さんが来る日が唯一パンを食べれる日だったのです。そんなわけで、息子はパンを特別のご馳走だと思っているようでした。
先生が「今日はパン屋さんくるよ!」と言うと、口をパクパクパクパク。その日1日は『早くパン食べよう!』となっていました。
そしてなぜか、くるみあんぱんが好きで、あんぱんやクリームぱんではダメなのです。
口の動きっぷり、飲み込みっぷり、食べられる量がまるで違うのです。好きなものは飲み込める不思議です。
それともくるみの旨味がわかるのでしょうか!?
よく食べると言っても、くるみあんぱんを牛乳で煮て、魔法の粉(スベラカーゼという飲み込みやすいゼリー状になる粉)と合わせ、ミキサーしてできたペースト状のパンを、おちょこ1杯くらいなのですが。
それでも息子は十分満足そうに『ふ~ん♪(美味しい♪)』ともぐもぐ味わいながら、両方の手に力を入れて拳を持ち上げ、『もっと食べる!』をします。
こんなに喜んで食べるのなら、毎日とはいかないけれど、定期的に食べさせてあげたいと思うのが親心というものでしょうか・・・
息子に「くるみあんぱんが売ってるパン屋さんに行ってみる?」と聞いてみると、強い眼差しとともに『ィグオォォ!(行こう!)』の返事。
そんなわけで、療育施設に来てくれていたパン屋さんに行ってみることにしました。
パン屋に行くのは自分も滅多にないことなので、パンって売り切れたりしないだろうか?やはり午前中に行くべきか?などあれこれ考えました。笑。
行ってみると、ちょうど空いていて息子もバギーで店内に入らせてもらうことに。
すると、『・・・このいい匂いは・・・!?』目が開いてキョロキョロパチクリパチクリ。自然と口がパクパク動いている!
パクパク止まらずマスクがずり落ちている!
『これがパン屋さんかー♡パンのいい匂いがたまらない♡お腹すいて来たなぁ~。』という感じの息子。
そして私がパンを選んだり、パンを作っている人を見ている間に、いい匂いでお腹が空きすぎてしまったのか、寝ている!!
息子が目を覚ました時にはすでに家に帰宅していて、夢の中のパン屋さんになっているんじゃないか?覚えているだろうか?と心配になりましたが、「またパン屋さん行こうね。」と言うと、くるみあんぱんを食べながら大きくうなずいていたので、パン屋さんを少しでも楽しめたようで良かったです。
著者紹介
- 名前
- inoinoart
- 性別
- 女
- 年齢
- ホームアローンのケビンと一緒
- 出身
- 江戸っ子
- コメント
- 熊谷と深谷を行ったり来たり。難病っ子の息子を育てながらアート活動とアウトドアに勤しむ。エッセイも楽しみたいと思います!
- https://www.instagram.com/inoinoart/