中学生の時に見た映画、「スタンドバイミー」「イージーライダー」から影響を受け、高校生の時に友人と横浜~熱海を徒歩にて野宿をしながら旅行をし、野宿の楽しさを実感、その後も野宿を続け、好きすぎて雑誌を出版するまでにいたる。
「野宿入門」「バスに乗ってどこまでも」など野宿に関する書籍も多数出版しており、そんな野宿大好き野郎の「LiFE」をインタビューさせていただきました。
野宿について
ライター柿沼
「今回は突然のご連絡すいませんでした。先日フジテレビで放映されたテレビ番組、金曜プレミアムくらべるマネーを拝見させて頂いて、「この人なんだ!?すごい!話を聞いてみたい!」という衝動に駆られて、ご連絡してしまいした。」
ちあきさん
「ご覧いただいて、ありがとうございます。テレビの編集がうまかったんでしょうねえ(笑)」
ライター柿沼
「いやーすごいインパクトでした。野宿した経験はないのですが、野宿の何が楽しいのですか?」
ちあきさん
「すっごい楽しいってことは無いと思うんですけどね・・・。」
ライター柿沼
「え・・・?楽しい事はないんですか?」
ちあきさん
「まぁ、外で寝てるので、家の中で寝てるよりは、何らかしら起きるというか・・・家で寝てるよりは楽しいですかね。」
ライター柿沼
「ほぅ。」
ちあきさん
「寝ようと思ったら通りかかった酔っ払いの人と飲んじゃって寝られないとか、朝起きてから犬を散歩させてる方に声掛けられたり、イレギュラーな部分が面白いですね。」
ライター柿沼
「なるほど、そのイレギュラーを楽しむんですね。」
ちあきさん
「楽しまざるをえなくなってくるのかもしれないですね、イレギュラーなことが多いので楽しめるようになってくるというか。」
ライター柿沼
「飛躍的に人間力あがりそうですね。」
ちあきさん
「何でも楽しめるようになってくるかもしれないですね。」
ライター柿沼
「危険な目にあったりとかはないのですか?女性ですし・・・ちょっと野宿って怖いかなぁというイメージあるのですが。」
ちあきさん
「怖いイメージ、ありますよね。私は幸いとくに怖い目にあったことはないんですけど。意外と男性の方が怖い事を想定してなくて無防備だったりすることがあるので、旅行中に聞く話は、男性の方が怖い目にあってますね。やはり泊まる場所選びは大事ですね。」
ライター柿沼
「場所選びが重要なんですね、どういった所がいいのですか?」
ちあきさん
「人が全然こない所か、地元の人の目が行き届いている場所ですかね。繁華街とかで地元の人じゃない人が通る所とか、大きな公園、河川敷などは場所を選ばないと私はちょっと怖いですね。」
ライター柿沼
「へー、繁華街とか、大きい公園など、安易に選んじゃいそうな場所ですね。確かに考え方が無防備というか、経験ないと選択を間違えちゃうかもしれないですね。」
野宿野郎の出版について
ライター柿沼
「『野宿野郎』はどういった経緯で作られようと思ったのですか?」
ちあきさん
「そもそもは、野宿が好きで、いま野宿をしている人と知り合いたい、って気持ちで『野宿野郎』を作りました。学生時代などは、終電逃しちゃったとか、青春18切符でお金が無いのでそのへんで寝るとか、野宿をする人が周りに多かったのですが、卒業するとどんどん皆しなくなっていって、そういう野宿をやっている人ともっとつながりたいという思いですね。」
ライター柿沼
「なるほど。」
ちあきさん
「あとは、「世間」みたいなイメージがぼんやりあって。野宿は楽しいから趣味として続けていきたいんですけど、そもそも女の人でそういうことする人は少ないですし、学生のうちは「すごいね!」とか好意的に言われても、30歳40歳になって野宿してたら、「あんなことやって・・・。」って絶対言われるなと思ったんですよ。それで、こいつは困ったなと思って、『野宿野郎』を作っていた方が、野宿やります!みたいな名目もたつんじゃないかという気も少ししたんですよね。」
ライター柿沼
「なるほど、そういう側面もあるんですね。」
ちあきさん
「何かあった方が、自分がくじけずにいられるんじゃないかと。」
ライター柿沼
「作ろうと思ってすぐ行動されたんですか?」
ちあきさん
「作ろうと思って、1年くらいでできましたね。」
ライター柿沼
「先程、趣味で野宿とあったのですが。編集・出版以外にメインのお仕事があるのですか?」
ちあきさん
「そうですね、学生時代からやってる介護の仕事があって、今も継続して週1~2日ぐらいですが夜勤でやっていますね。」
ライター柿沼
「僕は映画が大好きなのですが、趣味ってことは、映画を見るのと一緒の感覚ですか?」
ちあきさん
「うん、好きだから、同じだと思います、ただそれが野宿だっただけで。」
ライター柿沼
「雑誌にするのはご苦労されましたか?」
ちあきさん
「いや、そうでもなかったですかね。作り方が分からないので試行錯誤はしましたが、苦労は別にしてないですかね。」
ライター柿沼
「最初は何ページぐらいからスタートしたんですか?」
ちあきさん
「60ページぐらいですかね。」
ライター柿沼
「コンテンツ埋めるの大変ですよね。」
ちあきさん
「いや、でもそれは大学時代の知り合いとか、知ってる人にお願いして書いてもらって、それを集めて適当に作ったらできましたね。」
ライター柿沼
「へー、かとうさんの人望と人脈がなせる技ですね。」
ちあきさん
「そして、もう私は、なんせ「トイレ野宿」について書きたくて・・・(笑)とりあえず、私が書ければいいという・・・(笑)」
ライター柿沼
「え?(笑)トイレ野宿!?(笑)」
ちあきさん
「壁と屋根スゲーなみたいな。」
ライター柿沼
「(笑)」
ちあきさん
「高校生の時、初めて長期の野宿旅行をしたんですけど、多目的トイレに何回かお世話になって。当たり前ですがトイレがあるじゃないですか、トイレには。水場とトイレと屋根と壁と、さらに鍵がかかるじゃないですか、トイレには。いや、ちょっともうトイレってホテルじゃないか!というか、何なんだこれはという、すごい嬉しさがあったんです、それだけなんですけど。その、嬉しさをどこかに書きたいという。」
ライター柿沼
「トイレすごい連呼しましたね(笑)文明にふれたんですね(笑)ちなみにトイレ野宿が書きたいがために、もう7号までだされていますが、今後は8号はでる予定はあるんですか?」
ちあきさん
「作ろうとは思ってるんですけどね・・・、そろそろ作らないとですね(笑)あとは別に、この『野宿はすごい!』という雑誌を作りたいと思っているんですけど。」
ライター柿沼
「おっ、新しいやつですか?」
ちあきさん
「そうですね、色々な人に紀元前から現在までのすごい野宿ベスト5を決めてもらう、みたいな・・・、それは自分が読みたいので。」
ライター柿沼
「おー、すでに構想はあるんですね。」
ちあきさん
「暇なんで、作ろうと思えばすぐ作れるんですけどね(笑)」
ライター柿沼
「とっても楽しみです!」
ちあきさん
「ありがとうございます、いつになるかはわかりませんが(笑)」
ライター柿沼
「はい、気長に待っています。ちなみにこの「お店のようなもの」は閉店してしまうのですか?」
ちあきさん
「そうですね、11月末までですね。この2Fでイベントをやったり、編集作業をしたりと思い入れはあるのですが、借りるときから隣の床屋さんがやめたら立ち退くことが決まっていたので。」
ライター柿沼
「なるほど、残念ですね・・・。」
ちあきさん
「ただ、最終日まで沢山イベント(さよなら、お店のようなもの祭りスケジュール)を行うので、ぜひ遊びにきてください!」
ライター柿沼
「かしこまりました、スケジュール調整してみます、本日は貴重なお話聞かせていただいてありがとうございました。」
撮影/柿沼博基